巫女を始めて、始めてのお客さんに私は嬉しくなった。

「この健康祈願のお守りを一つ貰えるかしら?」

「はい!」

私はお守りを丁寧に袋に入れて、そっとそのお婆さんに渡す。

「ふふっ、可愛い巫女さんね」

お婆さんが私を褒めてくれる。

「実はね、孫がもうすぐ高校生なの。高校生活を楽しんで欲しいのはもちろんだけれど、まずは健康お守りを渡したくて・・・」

お婆さんは孫の入学を心の底から嬉しそうに話してくれる。