「…で、お前らはどういう関係?」
なぜかちょっと不機嫌そうな司先輩にそう聞かれて、なんとか状況を飲み込めた私はこれは言っていいものなのか…とちらりと蒼くんに目を向ける。
理由は一つ。
私の妹、夏希は極度の恥ずかしがり屋さんなのだ。だからあまり蒼くんとの関係についても話したがらない。
それを理解している彼は、んーと悩むような仕草をしたあと、口を開いた。
「俺の彼女の話、覚えてる?」
「…あぁ、いつも彼女の惚気ばっかで流石に覚えた。二つ年下の彼女だろ?というかそれが何だ?」
「俺の彼女のお姉ちゃんが美琴ちゃんなんだよね〜」
「!」
「あはは、司の驚いた顔超レア〜」
司先輩の驚いた顔を見て、楽しそうに笑いながらパシャッと写真を撮った蒼くん。
思ったよりも軽く話した蒼くんに少しだけ拍子抜けしたけど、誤魔化すよりはいいって判断なんだろう。
「おい勝手に撮んな」
「え〜ダメ?」
「ダメに決まってんだろ、今すぐ消せ。」
とは口で言いつつも先輩は笑っていて、このやり取りを見ただけでもこの二人の仲の良さが伝わってきた。
「美琴ちゃん、誤解は解けたから安心してね〜」
にこやかにそう笑って頭を撫でてきた蒼くんに首を傾げる。
「誤解?なんの?」
「うっそ、気づいてない?美琴ちゃん案外鈍い?」
「おい蒼」
後ろで怖い顔をしている先輩に気づいているのかいないのか、言葉を続ける。
「司はな俺が美琴ちゃんの彼「…蒼?」…あーはいはい、わかりましたよ。」
先輩の圧に負けてか、苦笑いして話を切り上げた蒼くんに先輩は尚鋭い目を光らせる。
なんでそんなに顔を顰めてるんだろう?
