「幼なじみ?橘と氷室が?」
「はい。」
「へぇ、そうなのか。まぁ、それなら仕方ないな。」
そう言って先生はまた教壇の方へ戻って行った。
えっ今ので納得したんですか?
いや、まぁ納得してもらえてよかったんだけど。
また、先生のカミナリが落ちなくて良かったんだけどね?
いやはや、こんなすぐ先生がおれてくれるとは…
「いや〜よかったね〜」
小声でそう凌くんに声をかける。
「ん」
「まさか、あんなふうに先生を言いくるめちゃうなんて…」
ホントにすごい…尊敬に値するよ。
「おい、言い方あるだろ。」
「そんなこと言ったって事実じゃん。」
「忘れんなよ。お前、俺が助けなかったら、今ごろ先生のお説教食らってたぞ。」
「り、凌くんだって怒られてたじゃん!」
「いや、フツーに俺だけなら大丈夫だったと思うぞ。ただ、お前がうるさかっただけだし。」
うっ
「な、何も言い返せないです…」
「ふっ、お前が俺を言い負かすなんて無理なんだよ。」
勝ちこほった顔をした凌くん。
くぅ。
あ、あれ?
なんだか、視線を前から感じる。
「ひっ」
先生が睨んでる。もう禍々しいほどに。
慌てて、先生の話に耳をすませた私なのでした…
