甘くて優しい、恋の香り。


聡太先パイが私の頭をポンポンと撫でた。



嬉しくて。

頭の上から伝わる聡太先パイの優しさが、温かくて。

私はまた、涙目になってしまう。



「ごめんごめん、いじめすぎた」

「違います、聡太先パイは謝ることなんて何も無いんです」



安心して。

目の前の聡太先パイを見つめ返す。



(あぁ、好きだなぁ)



見ているだけなんて、無理。

私、聡太先パイの恋人になりたい。

ずっとそばで、先パイにとっての特別でいたい。


「安堂?」



聡太先パイの制服の裾を掴んだ。






「……好きです、先パイ」





はじめてだ、と思った。

告白も。

好きな人の目をまっすぐ見たことも。

離したくない、と思ったことも。





聡太先パイはにっこり笑って、
「うん、ありがとう」
と、制服を掴んでいた私の手を、そっと握った。



それから、
「オレも安堂が好き」
と、言った。