男がソフィーの服を脱がそうとした。
 悲鳴をあげて押しのけようとする。だが力に差があった。
 絶望を感じた。

 そのとき部屋の隅で何かが動いた。
 男達は気付かない。
 その何かは、背伸びするように縦に伸びたり横に膨らんだりしている。

 ガサリと音がした。男が振り向いた。

 目の前に薄汚れた白い物体がいた。
 苦しそうにうごめいたかと思えば、ぱたりと地面に伏せたりする。

「な、なんだこれは!」
 物体はその声に驚いて宙を飛んだ。
 勢い余って天上にぶつかり、次には地面に落下する。不気味な動きだった。

「うわっ」
「ばけものだ、逃げろ」

 出口の戸を開けようとする。
 だが慌てて逆に閂をかけてしまった。
 外に出られず逃げ惑う。
 それを白い物体が追いかけ始めた。
 部屋に悲鳴が飛び交った。