「あの人たちはカライルに引き抜かれたんだ」
息子が横から口を出す。
「ダン・ラクレス様がいなくなってから、カライルの手下が来るようになったんだ。あいつらはこの屋敷も長くないから早々に出たらどうだと言ったんだ。ラクレス家には先代の王から賜った印章があるはずだ、それを持って出て来いと。それを俺らに渡せばたんまり報酬をやるぞ、と」
まるで他人事のようにしゃべっている。
アーロンは声を落として、
「それでお前はその通りにしたのか、ラクレス家から印章を盗み出したのか」
息子がうっと息を詰めた。
虚をつかれた顔になってア―ロンを見る。
どこか焦点が合っていない、そんなものが窺えた。
その横で母親は泣かんばかりにうつむいている。
「それで、その印章を盗んで来てどうしたんだ」
息子は青くなった。やっと事態が分かったように目を剥いた。
まるで喉に剣を突き付けられたようにおびえている。
息子が横から口を出す。
「ダン・ラクレス様がいなくなってから、カライルの手下が来るようになったんだ。あいつらはこの屋敷も長くないから早々に出たらどうだと言ったんだ。ラクレス家には先代の王から賜った印章があるはずだ、それを持って出て来いと。それを俺らに渡せばたんまり報酬をやるぞ、と」
まるで他人事のようにしゃべっている。
アーロンは声を落として、
「それでお前はその通りにしたのか、ラクレス家から印章を盗み出したのか」
息子がうっと息を詰めた。
虚をつかれた顔になってア―ロンを見る。
どこか焦点が合っていない、そんなものが窺えた。
その横で母親は泣かんばかりにうつむいている。
「それで、その印章を盗んで来てどうしたんだ」
息子は青くなった。やっと事態が分かったように目を剥いた。
まるで喉に剣を突き付けられたようにおびえている。