見慣れた茶髪が視界の隅に移り、不機嫌そうな声が聞こえる。
まさか、長谷川くんが私の下敷きになっているなんて誰が思うだろうか。
「は、長谷川くんっ…?ごめん、すぐにどくね?!」
「いいから焦んな!ゆっくりでいいから絶対落ちんなよ!」
「うぐ…わ、わかったです」
「変な敬語…」
あまりにも申し訳なさすぎて、変にかしこまってしまうんだよ長谷川くん。
なるべく早く、でも焦らずに長谷川くんの上から降りて振り返った。
お互いに地べたに座ったまんまだけど、気にせずペコッとお辞儀。
「その…ありがとう、助けてくれて。長谷川くんがいなかったらドボンだったよ」
「ほんとだよ。風邪ひいたらどうすんだ」
「すみません…」
それを言われたら何も言えないよね。
「まぁ、今回はたまたま俺が見つけたからいーけどさ」
「たしかに、なんで長谷川くんがここにいるの?」
さっきまで私以外は誰もいなかったから、不思議に思って聞いてみる。
「いや…外の景色見てたら、この庭園が見えたから来てみようかと思って。…古賀は?」
「私は、なるちゃんを探してたら迷子になって…それで、ここを見つけたから寄ってみたの」
「ふーん…ってか、今迷子つった?」
「う、うん…迷子っていうかね?自分のいる場所がどこか分からなくなって…」



