無理やりお母様を追い出すような形になった。

でも、最後までお母様は「次に会ったときはもっとたくさんお話ししましょうね。絶対よ」と念を押してきた。

バタンと扉が閉まると、とたんに静かになった空間に、一つの大きなため息が降ってくる。


「松葉さん、食材は十分ありましたよね。お母様が持ってきてくれたものもあったんですから」

「そんなことはわかってるよ。でも、あーでも言わないと、帰ってくれないし」

「でも、お母様にあんな言い方」

「だってまだ付き合ったばかりだし。2人きりでいたいじゃん」


そう言って、拗ねたように肩に頭を乗せてきた。

その姿がかわいくて、思わず頭をなでたくなる。

ぎゅっと頭を抱えると、松葉さんも背中に腕を回して抱きしめてきた。

それが許される関係になったんだと再び実感して、胸が高鳴った。