「アイ様がそうおっしゃるのでしたら……」
「ですが、アイ様。わたしたちは、アイ様の味方です。旦那様が理不尽なことをしたり言ったりしたら、わたしたちぜったいに許しません」
「ヴェロニク、それからロマーヌ。ほんとうにありがとう。大丈夫。フェリクス様は、いまは疲れていらっしゃるだけ。そして、戸惑っていらっしゃるの。わたしのことだって、話をすればどうにかなると思うから」

 不承不承ながら、二人は引き取ってくれた。

 フェリクスにどれだけ話をしようが、わたしのことを知ってもらおうが、事態が好転するとは思えない。

 彼とわたしの関係が、ちゃんとした夫婦の関係に発展するとは到底思えない。