この日は、領地外からやって来た患者の方が多かった。

 体の傷や病、心の病。

 傷や病を抱えている様々な患者が訪れる。

 それこそ、老若男女にかかわらず。

 現実的な医師たちは、癒しの力というものを嫌う。いいえ。信じていないといった方がいいかもしれない。すくなくとも、帝都にいる医師たちの多くがそうだった。

 しかし、ここの医師たちは違う。

 だからこそ、同じ屋根の下で患者に接することが出来るのだ。