(ということは、あれこれ想像するしかないわけね)

 と、いうことかしら?

 とはいえ、最初のあの手紙から、とにかくわたしのことが嫌い、もしくは気に入らないことだけは確かなこと。これだけは揺るぎようのない事実。

 まっ、いいんのではないかしら。

 たとえ戻ってきたとしても、彼は彼、わたしはわたしで好きなようにしておけば。それが彼の要望だし。

 接点がなければ、物理的に近くても関係ない、はず。

「はじめまして」の挨拶だけして、あとはいつも通りすごすことにしよう。

 そう決めると、すこしは気がラクになった気がする。

 そうしてあっという間にときがすぎ、彼が帰ってきた。

 まだ見ぬ夫が、屋敷に帰ってきたのである。