彼らだけの援助ではまだまだ足りない。しかし、彼らは他の商人にも呼び掛けてくれるとも約束してくれた。その約束が守られ、多くの援助者を得られるという、楽観的なことを考えているわけではない。ほんの少しだけ期待しているだけである。ひとりでもふたりでも、「援助してやろう」と申し出てくれる人がいれば幸運よね、というくらいにしか考えないようにしている。

 それでも前進した。それが一番の収穫。

 わたしでも出来た。

 名ばかりのまだ見ぬ夫からまったく必要とされないわたしでも、出来たのである。

 それがうれしくて、しばらくの間有頂天だった。

 そう、しばらくの間だけは……。