「アイを放せっ! おれの妻に触れるな」
「グワッ」

 エルキュールに羽交い絞めにされていたけれど、一瞬にして自由を取り戻した。

 わたしを羽交い絞めにしていたエルキュールもまた、フェリクスによってふっ飛ばされてしまった。

 ジョフロワとは反対の方向に。

 エルキュールもまた放物線を描きながら宙を飛び、木に激突して地に落下した。

 そして、森に静けさが戻った。