フェリクスがわたしに隠していたことが、ジョフロワのお蔭で知れた。その点では、ジョフロワに感謝しなければならない。たとえ話の内容のほとんどが許せないとしても。

 ジョフロワからフェリクスへと視線を転じた。

 しかし、フェリクスの翡翠色の瞳には、ほとんど変化がない。が、ごつい顔は、わずかながらやさしい表情をたたえている。

 そのように感じるのは、月光のせいかもしれない。あるいは、わたしの気のせいか。