「あいつは、数年前のわがアムラン王国とのいざこざの際、王族の警固をしていて毒の剣を受けたんだ。王族とすぐ側にいた部下をかばい、毒の剣が腕をかすったんだ。すぐに処置が行われ、一命をとりとめた。が、完全に解毒は出来なかった。なにせアムラン王国に古来より伝わる秘術で作られた毒だからな。よって、命は助かったとしても毒は確実にあいつの体を蝕んでいく。それが全身を侵したとき、あいつは死ぬ。それがもう間もなくというわけだ。が、なかなか死なん。われわれも仕損じた意地がある。その一件以降暗殺者をやっては殺そうとするが、そのつど返り討ちにあう。まったく、しぶといおっさんだ」

 ジョフロワの話は、なぜかすんなり受け止めることが出来た。