「そもそも慈善病院の件は、きみの気を惹く絶好の材料だった。金貨できみの気を惹けるなら、いくらでも出す。だから、わたしのポケットマネーで出していたんだ。それなのに、援助を断わるわけがない」
「ポケットマネー? アムラン王国の王子殿下のポケットマネーですって?」

 ジョフロワがどれだけの資産を持っているのか、まったく想像がつかない。

 だけど、それはアムラン王国の人々の血税なわけで……。

(いいわよね? なにも悪いことに使っているわけではないし。アムラン王国から訪れている患者もすくなくないのだから)

 無理矢理正当化してしまう。