「だからずっとアプローチしているじゃないか、アイ」

 彼の美貌が悲し気に歪んだ。

「知らないわ。そんな素振り、まったくなかったじゃない」

 すくなくとも、わたしにはまったく感じられなかったし見えなかった。

「慈善病院の援助を断ろうとしていたわよね? その素振りはあったから、ずっと冷や冷やしていたけれど……」
「なんだって? 慈善病院の援助を断る素振り……?」

 ジョフロワは、不意に口を閉じた。