「フェリクス・ラングラン将軍……」

 ジョフロワがつぶやいたときには、わたしは彼に肩を抱かれて拘束されていた。

 まるで人質のように。

「ジョフロワ・ラコルデール。失礼、王子殿下と呼ぶべきかな?」

 フェリクスの問いは、わたしを驚かせるに充分だった。