「アイ、きいてくれ」

 ジョフロワは、こちらに体を寄せてきた。

 彼の言葉が、すいぶんと心やすいものに変化している。そのことに、ようやく気がついた。

「わたしといっしょに来て欲しいんだ」
「来て欲しいってどこに? 流行り病のことが嘘なのだったら、いったいどこに連れて行くつもりなの?」

 わたしも彼にラフな言葉を使うことにした。