「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~

「アイ様っ」
「アイ様っ」

 エントランスのすぐ外に、パトリスとピエールが立っている。その彼らのことも、両手を突き出して押しのけていた。

「アイ様っ」
「アイ様っ」

 複数の声がわたしを呼ぶ。それを背中でききながら、足をフル回転で動かした。

「アイッ、待ってくれ」

 ひときわ野太い声もまた、背中にあたった。

 それでもなお駆け続けた。気持ちに足がついていかず、何度も転びそうになった。その都度踏ん張って耐え、さらに足を動かす。