足を精一杯小刻みに動かしつつ、フェリクスのことを考えることにした。

 正確には、屋敷に戻ってから彼に相談しなければならないことである。

 そもそも、彼はわたしの話をきいてくれるのかしら? しばらくの間でも、同じ空間にわたしといてくれるかしら?

 まず、そこである。

 彼のこれまでのわたしへの態度を鑑みるに、そういうささやかな動作じたい彼が出来るのかどうか疑わしい。

 それでも、相談はしなければならない。