「アイ、もちろんですとも。では、まいりましょう」

 彼は、さっさとお会計をすませた。

「ここは、わたしが払います」、というのを無視して。

 お礼とともに、つぎはわたしが払う旨を添えておいた。

 そして、食堂をでたところで彼はさりげなく左肘を差し出してきた。

 きつい陽射しの中、先程とくらべて人通りがほとんどなくなっている。

 ジョフロワは、きっと周囲の目を気にしているのだ。いまなら人に見られることはないから。

 が、さすがにこれはマズい。わたしにとっては、という意味で。