「お役に立ててうれしいですよ。とはいえ、ほとんど叔父上がしているんですがね」

 彼は、ペロリと舌を出した。

「エルキュールにもお礼を言いたいのですが……。今日は、彼はいっしょではないのですか?」
「今日はわたしひとりです。もちろん、伝えておきます」
「お願いします」
「アイ、いまから時間はありませんか?」
「時間、ですか?」
「ランチは? ランチはすみましたか? いっしょにどうでしょうか?」
「ランチは、まだですが……」

 突然のジョフロワの誘い。