このまま家同士の婚約を受け入れ、自分の幸せを諦めるの?

本当の愛を見つけたロイド様とお姉様は、あまりにも輝いて見えた。

私だって・・・そう、思ってしまう自分が嫌になる。

私はお姉様みたいに良い子でも優しい子でもない。

自分の性格の悪さなど、私が一番分かっているわ。

そんな思いを抱えながら、婚約についての話でお父様に呼び出された私は、お父様の部屋をノックする。

「お父様、リアーナで御座います」

「入れ」

相変わらず、私に興味など持って下さらないお父様。

きっと婚約を断ることなどしないだろう。

そう思っていた。