どこのチームなんだろう,と無駄に思考を傾けて
「でも大丈夫でしょ! ほら,あそこの響くんて子,午前あんだけ動いててまだ全然! ちょーイケメンだし!!!」
「あー分かるわ~。本命いるらしいけどね,本気は私も無理だけど,卒業までに1回くらいって気持ちは分かる。あと点,ほぼあの子が賄ってるし」
「あぁ~! あんなの同級にいたら絶対惚れてたなー!!!」
気になりすぎた話に,私はどぎまぎとした。
響くん,運動得意なんだ。
私と全然反対。
試合に視線を戻せば,大きくなる周囲の反応もそのはず……
疲れを見せないスピーディーな響くんの動きが目に映る。
しかもその手には,頼もしくもボールが挟まれていて。
すごい,集中力。
1番前だからこそ見える響くんの表情に,どきどきしてしまう。
その内最初から作戦に組み込まれていたであろう囲いを突破して,とうとう点を入れてしまった。
「わっ」
すごい。
思わず漏れた声に,優菜が反応する。



