「っえ! あ,いや違うくて! ほら,知り合って長いからさ,もう,ほらいいかなって,邪魔かなって思って!」
私,まだなにも……
ちょっと不思議に思っただけ,だよ?
どこに焦点を当てているのか分からない顔で,早口にも捲し立てた優菜。
言い切り顔をそらした優菜の瞳が,最後に揺れたのを。
私は見逃さなかった。
そっか,少なくとも優菜の方は……
小さくとも私に悪いって気持ちが,ちゃんとあるんだ。
優菜,私ね,今
「そうなんだ。バスケ,私も行きたい! 一緒に行こ? 優菜」
「う,うん!! 一杯応援,しようね!」
「そうだね,行けるところまで頑張って貰お!」
呼び方1つが変わってることなんて,怒ってる訳じゃないよ。
また傷付くんじゃないかって,ずっと思ってたけど。
そんなことも,なくて。
だから,だからね
ーんー……まだうまく,言えそうにないや。



