「まだ,勝ってるのかな……」
半数以上が午前中に脱落してしまう中で,まだ……
見に,行き……たい。
「勝ってるよ! だって煌芽中学のときバスケかじってたって言ってたし,現役バスケ部勢揃いなんだよ?! すっごい有力!」
「え」
と。
私は表情と心臓をぴたりと止めてしまった。
さ,くま,くん?
そうだ,そうだった。
そう言えば佐久間くんもバスケを取ったって,言ってた。
突然思い出し,どんな表情をすればいいか分からない。
優菜はきっと,だから最初から行きたがっていて,そこに突然響くんが入ってくるわけもなくて。
っ私……っ!!!
自分の恥ずかしい思考回路に気がついて,不思議そうな顔をする優菜の隣で,私は頬を両手で押し潰す。
その後優菜の言葉を反芻して,私は優菜を見た。
「……。……? こう,が」



