「私,好きなの! 遊びはもういいから,ちゃんと付き合って! …………ねぇ,今日空いてる?」
とある昼休み。
図書室からの帰り道に,私の家は空いてる,と私は校内ナンパを目撃した。
相手の顔は見えないけど……
好き,とか,遊びじゃない,とか,家,とか。
何だか複雑そうな感情を聞き取り,私はルートを変更しようとUターンする。
「だから,そーゆー問題じゃないんだって。なに? また新しい彼氏と喧嘩したの? でも,もうだめ」
でもその相手を聞き取って,私は色々察すると同時に足を止めた。
壁により,思わずそっと窺う。



