そして,また……スマホをスカートに閉まって,私は響くんのとなりに並ぶ。 きゅっと膝を抱えると,佐久間くんからのメッセージにスマホが震えた。 私はそれを,確認すらしてあげない。 ぎりぎりの小さな声で,隣へと呟く。 「今日,だけなんですからね」 誕生日だから,と。 この間違えた選択も誰かが許してくれる。 私は膝に顔を埋めて,熱くなる耳を押さえた。