私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。




「今日,優菜は?」

「ん? 優菜? いつも通り部活だよ」



口が滑った。

ほんとは今日どうしたのって聞こうと思ったのに。

一緒に帰るのが優菜じゃなくていいのかと余計な気を回してしまう。



「俺は久々にオフなんだよ,それで桃花どうしてるかな~って」



思い出して,くれたんだ。

靴箱で一旦分かれてしまう私達。

靴箱の前で,私はふぅと小さく息をついた。

なんか,神経使う,かも……

そう思ってしまうのは,きっと佐久間くんの考えていることが分からないから。

ふと,手首の締め付けに目を向ける。

響くんのくれたシュシュだった。

佐久間くんが来る前に,悩んだ私は手首に着けたのだ。

ごく自然な時間を過ごしても,所詮それはただの夢。

忘れてはいけないと,存在を主張するシュシュ。

佐久間くんの隣を歩く勇気を貰おうと,私はそれを髪に縛った。