触れているのか,触れていないのか。
どっち付かずだった響くんの手が,私を包む。
やっぱり,私より大きい。
あったかい。
のは,響くんの手なのかな。
それとも,私の体温?
「アウトって言ったら……やめてくれるんですか」
「……そんな顔で言われたら,やめないかもね」
嫌? って,そう聞かれたなら。
私はきっと答えられなかったんだろうって。
それもきっと,目の前の響くんは感じ取ってしまっているんだろうって。
そんな気がする。
「じゃあ,これは?」
「……イエローカードです」
「ふはっ。じゃあまだ1枚って事で」
響くんの2つ目の行動に,私はムスッとした顔で答えた。
見えてはいない,だろうけど。



