間違えたと思った時にはもう遅い。

ぴくりと眉を動かした響くんが私に距離を詰めて。



「らはは,ほんなわふいほほもひひゃう」



だから,こんな悪いこともしちゃう。

それ,理由になってな……

ガタン。

そう音をたてて,押し負けた私は尻餅をついた。



「う……わ?!」



そして手のひらの壁を難なく突破した響くんに,がぶりと耳を噛まれる。

ちょっと,色々時間を下さい響くん!

私はグッと,響くんの胸板を押した。