彼女1日目。

そうは言っても。

肩書きが増えた以外は,特に変わりありません。

手は繋がないと断って,ハグはしないと押し返して。

キスは論外とばってんを作った。

響くんは直ぐ拗ねる。

嫌なことはなしって約束したんだから,そうなるに決まってるのに。

むぅと唇を引き結んで,責めるように私を見るのだ。



『一緒に帰ろう』



そんなこと出来るわけがないし。



『放課後昨日みたいに残って』



傷はまだ塞がってない。

no·no·noと。

流石に心理的な負荷がぐざぐさとかかり,説明できない罪悪感に苛まれ。

けれど響くんは拗ねる以上のことはしなかった。

また2人の事を持ち出したりもしない。

約束は守ってくれる。

良かったとほっとする一方で,驚くことは他に起きた。

泣き張らした昼休みを終えて,放課後。

ぱたぱたと寄ってきた優菜は言ったのだ。