(魔法の勉強も必要だしね。よし、頑張ろう!)
そう気持ちを切り替えて、クロエはエーリヒの帰りを待った。
エーリヒが戻ってきたのは、もう日が暮れようとしているときだった。
宿屋のベッドに腰を下ろし、カーテンの隙間からぼんやりと外を見ていたクロエは、部屋の扉が開かれたことに気が付いて振り返る。
「あ、おかえりなさい」
「……ただいま。黒髪にしたのか」
戻ってきたエーリヒは、すぐにクロエの髪と瞳の色が変わったことに気が付いたようだ。
「うん。似合うかな?」
「とても綺麗だと思うよ。でも、この国に黒髪はいないから、移民だと思われてしまうかもしれない」
「移民、かぁ」
町で黒髪の人間も見かけたから、それほど珍しくないと思っていた。
「でも、移民だと思われた方が好都合かもしれない」
父も、貴族の令嬢が移民に成りすますとは思わないだろう。
「そうだな。正規の手続きを得て入国している外国の商人もいる。黒髪でも問題はないだろう。よく似合っている」
「あ、ありがとう……」
社交辞令だとわかっていても、やっぱり嬉しいものは嬉しい。
それに自分でも、新しい姿はなかなか気に入っている。
そう気持ちを切り替えて、クロエはエーリヒの帰りを待った。
エーリヒが戻ってきたのは、もう日が暮れようとしているときだった。
宿屋のベッドに腰を下ろし、カーテンの隙間からぼんやりと外を見ていたクロエは、部屋の扉が開かれたことに気が付いて振り返る。
「あ、おかえりなさい」
「……ただいま。黒髪にしたのか」
戻ってきたエーリヒは、すぐにクロエの髪と瞳の色が変わったことに気が付いたようだ。
「うん。似合うかな?」
「とても綺麗だと思うよ。でも、この国に黒髪はいないから、移民だと思われてしまうかもしれない」
「移民、かぁ」
町で黒髪の人間も見かけたから、それほど珍しくないと思っていた。
「でも、移民だと思われた方が好都合かもしれない」
父も、貴族の令嬢が移民に成りすますとは思わないだろう。
「そうだな。正規の手続きを得て入国している外国の商人もいる。黒髪でも問題はないだろう。よく似合っている」
「あ、ありがとう……」
社交辞令だとわかっていても、やっぱり嬉しいものは嬉しい。
それに自分でも、新しい姿はなかなか気に入っている。


