婚約破棄されたので、好きにすることにした。

 それよりは、自分の居場所を確保するために、ふたりで戦うことを選んだ。
 その意志をもう一度確認し合い、それから呼び鈴を鳴らしてアリーシャを呼んだ。
「先ほどの話、お受けしたいと思います」
 エーリヒと手を取り合いながらそう告げると、アリーシャは心から安堵したような顔をして、その場に座り込んでしまった。
「……ありがとう」
 気丈に振舞っていたが、魔女である王女カサンドラ、そして彼女を操ろうとして動く勢力との戦いで、彼女もかなり疲弊していたのだろう。
 だからこそ、移民として過ごしていたクロエにまで目を付けて、味方に取り込もうとしたのかもしれない。
「私の義妹になるからには、あなたのことは全力で守るわ。もちろん、エーリヒのことも」
「私たちなら大丈夫です」
 決意を込めてそう言ってくれたアリーシャに、クロエはエーリヒの手を握りながら笑顔でそう答える。
「自分たちの力で、居場所を確保したいのです。それに私は、少しでもこの国が良くなることを願って、おふたりに協力することにしたのですから」
 座り込んだままのアリーシャは、その言葉に決意を固めたように頷き、立ち上がった。