婚約破棄されたので、好きにすることにした。

 両親とともに他国から流れてきた移民の娘で、すでに両親は亡くなっている。
 王城から逃れてきたエーリヒと出会い、彼の助言によって、自分に魔力があることを知った。
「こんな感じかな?」
 本当の身元はもちろん、魔女であることも隠しておく。
 さすがに魔女だと知られてしまったら、この国を出ることが難しくなってしまう。まだ他国への憧れもあるので、選択肢は残しておきたかった。
 それにクロエ自身もまだ、自分の力を自由に使えない。
 魔法も知識だけで、実践は皆無だ。
 そんなクロエに、アリーシャは守護魔法などの魔法を教えてくれると言っていた。
 今までは魔石しか作れなかったが、魔法ギルドでは学べなかった魔法を、一から勉強する良い機会かもしれない。
 アリーシャに魔法を学び、自分の力を完全に制御できるようになること。
 それも、目標のひとつだ。
「クロエ、本当に大丈夫か?」
 マードレット公爵家の養女になってしまえば、過去にクロエを虐げてきた元婚約者のキリフや、父と顔を合わせることもあるかもしれない。
 エーリヒは、それを心配してくれている。
「私なら大丈夫」