婚約破棄されたので、好きにすることにした。

 エーリヒが庇ってくれなかったら、その冒険者は死んでいたかもしれない。
 ロジェは苦悶の表情でそう言った。
「いくら貴重な魔力持ちとはいえ、最近のサージェの行動は目に余る。魔法で攻撃するのは違法でもあるから、殺人未遂で騎士団に通報したんだ」
 その判断は、間違っていないのだろう。
 ギルド員が冒険者を魔法で攻撃して、さらにギルドも半壊している。それを通報しないようなら、信用を失うのはギルド側だ。
 だが駆けつけた騎士の中に、エーリヒを知っている者がいたらしい。
 近衛騎士団に移動したとはいえ、数年前まではエーリヒも所属していたのだ。
 それも当然のことか。
 エーリヒを見て驚いた様子のその騎士は、関係者全員に話を聞きたいからと、エーリヒも連れて行こうとした。
「……たしかに、サージェが最初に絡んだのはエーリヒだったからね」
 だがロジェは、その騎士には何か他の意図がありそうだったと、ぽつりと語る。
 さらに殺人未遂で拘束されたサージェが、虐げられている女性を守るためだったと発言したせいで、その件についても調査をすることになってしまった。
「じゃあ、エーリヒは騎士団に?」