婚約破棄されたので、好きにすることにした。

 馴染みのギルド受付員の、ロジェだった。
「ロジェ、何があったの? エーリヒは?」
 心配と、サージェに対する憤りで、思わず詰め寄る。
「詳しい話は、奥でするよ」
 ロジェはそんなクロエを、ギルドの奥に導いた。
 奥の部屋は無事のようで、促されて椅子に座る。ロジェも、クロエの向かい側に座った。
「攻撃魔法を使った気配がしたわ。またあの人が、エーリヒに絡んだのね?」
 体調不良で休養していたことも忘れて、クロエはロジェが座った途端に、そう詰め寄る。
「……ああ、そうなんだ」
 ロジェは疲れたような顔で、クロエの言葉に頷いた。
 エーリヒが指名依頼を受けるためにギルドを訪れたとき、たまたまサージェもこちらにいたようだ。
 またクロエのことでエーリヒに絡んだが、さすがにクロエがきっぱりと拒絶していたこともあり、周囲のギルド員も止めようとしたらしい。
 他の冒険者たちも、自分の気に入った者しか優遇しない彼の態度には、以前から腹を立てていたらしい。
 振られたくせにみっともないぞ、とやじられて、その冒険者に魔法で攻撃をしてしまったという。