けれど自分の価値を信じられない気持ちは、なかなか改善できないようだ。
でもエーリヒは、クロエがまだ魔法の力に目覚めず、父と元婚約者に怯えて暮らしていた頃のクロエを、好きだったと言ってくれた。あの頃から、クロエを救い出したいと思ってくれていたのだ。
「ありがとう。エーリヒがそう言ってくれるから、私は自分の価値を信じることができる」
「俺も同じだ」
エーリヒはそう言って、穏やかな笑みを浮かべる。
「最初はクロエを助けることができたら、死んでもいいと思っていた。でもクロエが俺のことを大切にしてくれたから、ひとりの人間として、一緒にしあわせになりたいと思うようになった」
「うん。絶対にしあわせになろうね」
手を繋いで、ふたりの家に戻る。
順調とは言い難い状況だった。
冒険者になりたいとか、魔法を学びたいとか、逃亡を決意したときに願った夢は、なかなか思い通りにいかない。しかも魔石のせいで貴族にも目を付けられて、これからどうなるか、少し不安もある。
(でも……)
クロエは、繋いだ手から伝わってくる温もりに、心が安らぐのを感じて微笑んだ。
でもエーリヒは、クロエがまだ魔法の力に目覚めず、父と元婚約者に怯えて暮らしていた頃のクロエを、好きだったと言ってくれた。あの頃から、クロエを救い出したいと思ってくれていたのだ。
「ありがとう。エーリヒがそう言ってくれるから、私は自分の価値を信じることができる」
「俺も同じだ」
エーリヒはそう言って、穏やかな笑みを浮かべる。
「最初はクロエを助けることができたら、死んでもいいと思っていた。でもクロエが俺のことを大切にしてくれたから、ひとりの人間として、一緒にしあわせになりたいと思うようになった」
「うん。絶対にしあわせになろうね」
手を繋いで、ふたりの家に戻る。
順調とは言い難い状況だった。
冒険者になりたいとか、魔法を学びたいとか、逃亡を決意したときに願った夢は、なかなか思い通りにいかない。しかも魔石のせいで貴族にも目を付けられて、これからどうなるか、少し不安もある。
(でも……)
クロエは、繋いだ手から伝わってくる温もりに、心が安らぐのを感じて微笑んだ。


