婚約破棄されたので、好きにすることにした。

 あの貴族の女性は、魔石が作れる移民の女性を探している様子だった。
 かなり力を抑えたつもりだが、質の良い魔石を大量に広めすぎたのかもしれない。
 今さらかもしれないが、これ以上は危険だ。
「魔石は当分、作らないようにしようと思うの。えっと、急に作れなくなることって、ある?」
 そう尋ねると、エーリヒはクロエの肩を抱いたまま答えてくれた。
「そうだな。魔力の使い過ぎで一時的に使えなくなることはあるが、休めば回復する。あとは、無理をしすぎて身体を壊して、魔力が減ってしまう場合か。その場合は、戻らないことが多いようだ」
「……それでいくわ」
 思えば、かなりの数の魔石を、求められるまま納品してしまった。
 でもそれは、エーリヒと結婚したいために、かなり無理をして作っていたことにしようと思っている。
 そして目標を達成できそうなタイミングで、無理をしすぎてもう魔石が作れないと告げる。
「そうすれば、向こうはもう、魔石が作れない移民の女には興味がないと思うの。もしそれでも強引に面会させようとするなら、ギルドを辞めてもいい」
 それくらいの気持ちだと言うと、エーリヒはさすがに驚いたようだ。