(な、なんて破壊力……)
エーリヒは、クロエとふたりきりのときはもちろん笑ってくれるが、他人がいる場所では、無表情か、不機嫌な顔をしていることが多い。
それが整った容貌をますます人形めいたものに見せていて、近寄り難い印象があった。
でも今は違う。
淡く微笑み、しあわせそうに目を細めた様子は、途轍もない破壊力である。すれ違った女性が、頬を染めて振り返る。
クロエは思わずエーリヒの腕を掴み、ぐいっと引っ張った。
そんな笑顔は、王女や彼の異母姉はもちろん、その辺を歩く人にだって見せたくない。
「どうした?」
そんなエーリヒは周囲の視線などまったく気が付いていないようで、不思議そうに首を傾げる。それがまた絵になるから、質が悪い。
「何だかエーリヒが嬉しそうだなって」
「うん。俺も、こんなに浮かれるとは思わなかった」
そう言うと、腕に掴まっていたクロエを抱き寄せる。
「クロエが俺のことを心配してくれて、すごく嬉しかったから」
エーリヒの、幸せそうな顔に何だか切なくなる。
エーリヒは、クロエとふたりきりのときはもちろん笑ってくれるが、他人がいる場所では、無表情か、不機嫌な顔をしていることが多い。
それが整った容貌をますます人形めいたものに見せていて、近寄り難い印象があった。
でも今は違う。
淡く微笑み、しあわせそうに目を細めた様子は、途轍もない破壊力である。すれ違った女性が、頬を染めて振り返る。
クロエは思わずエーリヒの腕を掴み、ぐいっと引っ張った。
そんな笑顔は、王女や彼の異母姉はもちろん、その辺を歩く人にだって見せたくない。
「どうした?」
そんなエーリヒは周囲の視線などまったく気が付いていないようで、不思議そうに首を傾げる。それがまた絵になるから、質が悪い。
「何だかエーリヒが嬉しそうだなって」
「うん。俺も、こんなに浮かれるとは思わなかった」
そう言うと、腕に掴まっていたクロエを抱き寄せる。
「クロエが俺のことを心配してくれて、すごく嬉しかったから」
エーリヒの、幸せそうな顔に何だか切なくなる。


