「いいの。私がそう決めたんだから」
以前のクロエなら、こんなことは言わないだろう。
ふと不安に思ってエーリヒを見上げたが、彼の瞳に宿る優しさは、まったく変わらなかった。
予定ではギルドを訪ねたあとに、スラムの教会を訪ねる予定だった。
流行り病も落ち着いてきたので、一度、子どもたちの様子を見に行きたいと思ったのだ。
エーリヒは、危険だからとクロエがスラムに行くことにあまり良い顔はしなかったが、それでも最後にはクロエの意志を優先させてくれた。
「どうする?」
けれどギルドでの出来事のせいで感情が昂ぶり、落ち着かない様子のクロエに、エーリヒは優しくそう尋ねる。
「……行くわ。差し入れも持ってきたし、渡さないで帰るのは嫌だもの」
「わかった。じゃあ、行こうか」
手を差し伸べられて、しっかりと握る。
隣を歩くエーリヒは何だか楽しそうで、クロエもつられて笑顔になった。
(そうね。嫌な人のことなんて、忘れるのが一番だよね)
せっかくエーリヒと町を歩いているのだから、楽しまなければ損だ。
そう思って顔を上げると、穏やかな微笑みを浮かべたエーリヒを見てしまい、思わず息を止める。
以前のクロエなら、こんなことは言わないだろう。
ふと不安に思ってエーリヒを見上げたが、彼の瞳に宿る優しさは、まったく変わらなかった。
予定ではギルドを訪ねたあとに、スラムの教会を訪ねる予定だった。
流行り病も落ち着いてきたので、一度、子どもたちの様子を見に行きたいと思ったのだ。
エーリヒは、危険だからとクロエがスラムに行くことにあまり良い顔はしなかったが、それでも最後にはクロエの意志を優先させてくれた。
「どうする?」
けれどギルドでの出来事のせいで感情が昂ぶり、落ち着かない様子のクロエに、エーリヒは優しくそう尋ねる。
「……行くわ。差し入れも持ってきたし、渡さないで帰るのは嫌だもの」
「わかった。じゃあ、行こうか」
手を差し伸べられて、しっかりと握る。
隣を歩くエーリヒは何だか楽しそうで、クロエもつられて笑顔になった。
(そうね。嫌な人のことなんて、忘れるのが一番だよね)
せっかくエーリヒと町を歩いているのだから、楽しまなければ損だ。
そう思って顔を上げると、穏やかな微笑みを浮かべたエーリヒを見てしまい、思わず息を止める。


