それくらい、思ってもみなかった言葉だった。
心配したことを、不安に思っていることを、真摯に受け止めてもらえたのが嬉しい。
とくに、元婚約者のキリフ以上に話の通じないサージェに会ってしまった後だから、なおさらだった。
「ありがとう。ちゃんと考えてくれて」
そう告げるとエーリヒは柔らかく微笑み、クロエの黒髪をさらりと撫でる。
「クロエの言葉なのだから、当然だ。覚えていないかもしれないが、昔から俺のことを気遣い、心配してくれたのはクロエだけだった」
エーリヒは、昔のクロエを思い出すように目を細めてそう語り、そして今、隣にいるクロエの肩を抱く。
「そうやってクロエが俺のことを心配してくれて気遣ってくれるからこそ、俺は公爵令嬢や王女のお気に入りの人形などではなく、人間だと思うことができる。クロエの存在だけが、俺を生かしてくれるんだ」
「エーリヒ……」
真摯にそう語るエーリヒの言葉に、クロエは何だか切なくなって、自分の肩を抱くエーリヒの背に手を回す。
正式な婚姻ではなく庶子として生まれたエーリヒは、公爵家に引き取られたものの、ずっと従僕のような扱いであったと聞く。
心配したことを、不安に思っていることを、真摯に受け止めてもらえたのが嬉しい。
とくに、元婚約者のキリフ以上に話の通じないサージェに会ってしまった後だから、なおさらだった。
「ありがとう。ちゃんと考えてくれて」
そう告げるとエーリヒは柔らかく微笑み、クロエの黒髪をさらりと撫でる。
「クロエの言葉なのだから、当然だ。覚えていないかもしれないが、昔から俺のことを気遣い、心配してくれたのはクロエだけだった」
エーリヒは、昔のクロエを思い出すように目を細めてそう語り、そして今、隣にいるクロエの肩を抱く。
「そうやってクロエが俺のことを心配してくれて気遣ってくれるからこそ、俺は公爵令嬢や王女のお気に入りの人形などではなく、人間だと思うことができる。クロエの存在だけが、俺を生かしてくれるんだ」
「エーリヒ……」
真摯にそう語るエーリヒの言葉に、クロエは何だか切なくなって、自分の肩を抱くエーリヒの背に手を回す。
正式な婚姻ではなく庶子として生まれたエーリヒは、公爵家に引き取られたものの、ずっと従僕のような扱いであったと聞く。


