婚約破棄されたので、好きにすることにした。

「そうだったの。エーリヒは?」
「俺はもう少し掛かりそうだ。でも、すぐに追いつくから」
 最近ひとりで依頼を受けることが多いのは、その差を埋めようとしてくれたのだろう。
 けれどクロエは魔石を納品するだけで功績になっているが、エーリヒは地道に依頼を受けて、それを果たさなくてはならない。
 だから、クロエよりも時間が掛かるのは当然だ。
「急がなくてもいいの。だから無理はしないで」
「俺なら大丈夫。クロエのお陰で、最強の盾を手に入れたから」
「……盾って、もしかして」
 クロエが魔法を掛けてしまったエーリヒの右腕を、クロエは抱きしめる。
「もし魔法が不完全だったら、怪我をしてしまうわ」
「クロエの魔法だ。そんなことはない。それに、何度も魔物の攻撃を受け止めたが、なんともなかった」
 さらりとそんなことを言われて、息を?む。
「危ないことはしないで。お願いだから」
 魔法の効果なんて、いつまで有効なのかわからない。
 そう訴えると、エーリヒは素直に頷いてくれた。
「わかった。クロエが不安になるようなことはしないよ」
「……よかった」
 ほっとして、そのままエーリヒに寄りかかる。