「そうなの?!」


目を見開くちぃちゃん。


「振られてるのに、まだ新のことが好きだなんて。いくら何でも諦めが悪すぎるよね」

「いやいや。一人の人のことをそこまで長く思い続けられるなんて、すごいよ」


ちぃちゃんとベンチに座りながら、私は空を見上げる。


青々としていた空は、いつの間にか燃えるようなオレンジ色に染まりつつあって。


もうすぐ楽しかった文化祭も終わるんだなと、少し切なくなった。


「ねぇ、彩里知ってる? この学校の文化祭で告白したら、必ず成功するっていうジンクス」

「うそ。そんなジンクスがあるの?」


ちぃちゃんに言われるまで、知らなかった。


「うん。まぁ告白するもしないも、彩里の自由だけどね。さぁ、そろそろ文化祭も終わるし。教室戻ろうか」


ちぃちゃんに続いて、私も歩き始める。


本当は今までずっと、後悔してた。


小学6年生のあのとき、新に振られてつい『新が好きっていうのは……冗談だから』って言ってしまったことを。


だからこの機会に、改めてもう一度新に想いを伝えるのも良いのかもしれない。