ハイドアンドシーク




「そういえば、あいつとの話は穏便に済んだのか?」

「え?」

「理事長だよ。呼ばれてたろ、この前」


ふと、思い出したようにそう訊かれたのは。

わたしの頭がパンク寸前で、見かねた先生が休憩を挟んでくれたときだった。


椅子をいくつか並べてそこに寝そべっていたわたしは驚きながら起きあがる。



「なんでそのこと知ってるんですか?」

「なんでって、俺が教えてやったんだろうがよ」


そういえばそうだ。

理事長が呼んでるって。

それを知らせてくれたのはモッチー先生だった。


わたしは少し迷って、答える。



「穏便といえば穏便だし……そうじゃなかったとも、言えなくもないです」

「なんだそれ」



結論から言うと。

数日前、理事長室で告げられたのはわたしの処遇についてだった。