咄嗟に、昼間のおじいさんとの会話を思い出す。
──あ、アレキサンドライト?
──ある一定の条件のもとで色が変わるんだ
いやいや、いやいやいや。
まさかここまで変わるなんて思わないでしょ!
せいぜい濃淡が変化するくらいだと思っていた自分が途端に恥ずかしくなる。
「え…っと、その宝石って結局、何色なの……?」
「ばーか」
「はえぇ……?」
罵倒されたことにも気づかず、いつまでもぽかんとしているわたしを見て。
東雲さんはついにくくっと肩を揺らした。
「これは俺と、お前の色だろ」
間接照明の下。
そう笑う、彼の碧いピアスから目が離せなかった。
いつもだったら絶対に言わないようなことを、いざというときにはこうして恥ずかしげもなく言ってのける。
わたしの幼なじみ、



