ハイドアンドシーク



「どうしよう、やっぱり、わたしには似合わないかも」

「……似合わない」

「だ、だって、綺麗な赤色の宝石だし、ふたつとも東雲さんが持ってたほうが……」




そのとき、ぱっと辺りが暗くなった。



「えっ、なんで電……」


部屋の電気を消してしまった東雲さんは、わたしに暗闇の存在を感じさせる間もなく、手元の間接照明を灯した。



「まぶしっ」


もろに光を直視してしまったわたしは思わず目をつぶって、心の中で恨み節を吐きながらゆっくりと瞼を持ち上げる。





はっと、息を呑んだ。


視線がそれに

さっきまでは赤色だったその宝石に引き寄せられる。




「これでも?」


東雲さんが試すように首を傾ける。

よりあらわになったそれに、自分の目がおかしくなってしまったのかとさえ思った。