「は、針ちょっと太くない?そんなもんなの?」
「こんなもんだよ。知らねーけど」
「いやあああ…」
親から貰った大事な身体に、なんて高尚なことを言うつもりはない。
ただ単純に直前で日和っただけ。
ビビりで親不孝なあんぽんたんとはわたしのことだ。
「ほら、こっち来いって。腹くくれよ」
「んぇ~……」
慎重な東雲さんは念のため、ピアッサーの使い方も調べてくれた。
自分のときは気にもしなかったであろう消毒もちゃんとしてくれて。
これ以上ない、至れり尽くせりな状況。
なのにいつまでもぴよぴよ言っているわたしに、それを静かに見ていた東雲さんはこう言った。
やめるか、って。



