「何年、お前の幼なじみやってると思ってんだよ」
「じゃあ話は早いですよね!」
「やめとけって。ビビりで痛みに弱いくせに」
この幼なじみ、めちゃくちゃに言ってくれる。
しかし仰るとおり、わたしはビビりである。
痛みの耐性もそこまでない……けど、
「一瞬でしょ?大丈夫、大丈夫!さくっとやっちゃってくださいよ。さくさくーっと!ね?」
「……用意するから、ちょっと待っとけ」
「ありがとう東雲さん!」
ルンルン気分で帰りに寄って買ってきたピアッサーを取り出したわたしは知らなかった。
人はみな、危機察知能力が高いということを。
腕にする予防接種とはワケが違うということを。
わたし、鹿嶋恋はこのあと……
人生でも指折りの恐怖体験をすることになる。



